漢字読み

1。 彼は必死に拒み続けていたが、最後にはあきらめた。

2。 彼には、感情というものが欠如している。

3。 この指輪は一見高そうだが、実はそうではない。

4。 彼は巧みな手さばきで、ドレスを縫い上げた。

5。 朝、具合が悪くて寒気がしたので、会社を休んだ。

6。 紅葉を眺めながらの露天風呂は、なかなか風情がある。

文脈規定

1。 彼は大気汚染に関する講演を聞いてから、(  )カーに乗るようになった。

2。 教授の話を熱心に聞いていた学生たちは、何度も(  )いた。

3。 母は私のすることに(  )文句をいう。

4。 先ほどお渡しした資料に間違いがありましたので、こちらに(  )ください。

5。 今年大学を卒業して、地元の企業に新卒で(  )された。

6。 友達にひどいことを言ってしまい、とても(  )しています。

7。 他社との競争に勝つため、商品の(  )化をはかった。

言い換え類義

1。 もう大人なんだから、軽はずみな行動をするな。

2。 夢をかなえるために、多くの留学生が日本で学んでいる。

3。 先方には再三お願いのメールを送っていますが、まだお返事がありません。

4。 少子高齢化による労働力不足が懸念される

5。 最近システム部に入った彼は、とても頭が切れる人物だ。

6。 その企画の内容について、私は一切知らされていなかった。

実践練習

1。 手掛ける

2。 台無し

3。 切実

4。 沈黙

5。 冷静

6。 念願

文法形式の判断

1。 大切な試験が週間後に迫ってきた。母親の心配を(  )、受験生の弟は一日中ゲームばかりしている。


2。 あのアイドルグループは今でこそ国民的アイドルにまで成長したが、デビュー後しばらくはCDが売れない時期が続いた。デビュー10年目(  )ようやく全国ツアーを行い、一気にファンを増やしていった。


3。 (インタビューで)
聞き手「子供のころのエピソードをお聞かせいただけますか。」
水谷 「勉強家の姉(  )、妹の私はいつも外で遊んでばかりいましたね。木登りをしたり、公園で走り回ったり。」


4。 原発事故のために、避難(  )方々がいることを知っていますか。この仮設住宅は、そういった方々のために作られ、今なお大勢の住民が暮らしています。


5。 田中「おめでとう! 新しい仕事、決まったんだってね。」
木村「ありがとう。やっと就職も決まった(  )、しばらくのんびりしようと思ってるよ。」


6。 山田監督の新作映画の主演女優を知っていますか。彼女は女優業の(  )、環境問題のボランティア活動家としても知られています。


7。 忙しい時期かと存じますが、どうかお体に気をつけて( )。


8。 チャン 「毎日問題集を解いて勉強をしているのに、なかなか日本語を話すのがうまくならないんだよね。」
佐藤「言葉は、実際に(  )上手になっていくものだと思うよ。」


9。 圧倒的な情報力と、最新の情勢に合わせて変化していく機動力こそが、あの企業の一流(  )ゆえんだ。


10。 世界的に有名な歌手が10年ぶりに来日することになり、空港には(  )の人が押し寄せた。


文の組み立て

1。 吉野さんは_ _  _科学者になるでしょう。


2。 非情にも_ _  _台風でりんごが全滅してしまった。


3。 大型バスが山道を走行中にスリップし、あやうく_ _  _全員無事だった。


4。 火災の消火や救急によって_ _  _背中合わせの職業だ。


5。 今回の新商品の開発にあたり、_ _  _ので、教えていただけますか。


文章の文法
 以下は、小説家が書いたエッセイである。
 宇宙論の歴史は、ホーキングの登場 (41)、モノ的アプローチからコト的アプローチへ、はっきりと移行していきました。彼は「現象の裏には何が存在するのか」には、ほとんど興味を示しません。「何が起きたのか」という結果にだけ、関心を寄せるのです。
 話をわかりやすくするために、比喻的な説明になりますが、金融・経済の世界でモノ的価値観とコト的価値観の違いについて、考えてみましょう。
 大昔、人間の経済活動はとても単純で、いわば地に足が着いていました。人々は、狩りの獲物や農作物、金や銀といった「モノ」にしか価値を見出さず、それを物々交換して生活していました。私は、こういう状態を(原始的な)「モノ的世界観」と呼んでいます。
 (42)経済が発達すると、モノづくりに励まなくても、物資の移動を仲介するだけで報酬としてモノを受け取り、生活できる人々が生まれました。そして、モノだけが流通していたところに、モノの代わりに価値を表す「貨幣」、つまりお金が使われ始めます。人間社会は、お金とお金が交換されるような状態へと移行していきました。
 お金というものは、例えば紙幣なら、インクの染みた紙きれにすぎず、モノとしての価値は断然低いです。もしも一万円札を持って、タイムマシンで物々交換の時代に出かけて行き、猟師が命懸けで獲っていた獲物を指さして「この一万円札と交換して欲しい」と交渉を(43)、それこそぶん殴られて(44)。
 でも、現代社会なら話は別です。
 お金はモノとモノとの間を媒介しているため、お金というモノ自体に価値があるかのような幻想を生み出しています。このようにモノが主役の座を離れて、モノでないものが重要な役割を演じる 45 状態を私は「コト的世界観」と呼んでいます。

(竹内薫『ホーキング博士 人類と宇宙の未来地図』宝島社による)

(41)

(42)

(43)

(44)

(45)