漢字読み

1。 近所の公園には、秋の気配が漂っていた。

2。 会社の採用面接は、和やかな雰囲気だった。

3。 部長は頼みごとがあるときは、声色を変えてくるのですぐわかる。

4。 ここのシェフは、厳選した食材で最高の料理を作ることで有名です。

5。 データが事態の深刻さを如実に表している。

6。 発表に向けて、その道の玄人に話を聞きに行く。

文脈規定

7。 書類に(  )があると、申請は受理されない。

8。 大切な仕事だとわかってはいるのだが、興味のない分野だけに(  )。

9。 どうしても嫌なことなら、(  )断ったほうがいい。

10。 子供が歳になったら、以前勤めていた銀行に(  )する予定だ。

11。 彼の行いは、尊敬に(  )。

12。 今までの努力の(  )が出て、今大会では優勝することができた。

13。 彼女は新人賞を受賞し、作家として華々しい(  )を飾った。

言い換え類義

14。 生活習慣の乱れが体調に顕著に表れている。

15。 当店の商品は一律千円です。

16。 2か月前に転職してから忙しい毎日が続いて、くたびれてしまった。

17。 これは日本の伝説にまつわる話を集めた本だ。

18。 楽してお金をもらおうなんて情けない考えはやめたほうがいい。

19。 将来のことは、もっとシビアに考えたほうがいい。

実践練習

20。 着手

21。 未知

22。 気兼ね

23。 発足

24。 見込む

25。 素質

文法形式の判断

26。 届けられたお弁当の量を見てあぜんとした。30代の私で(  )食べきれそうにない。高齢の私の両親にはとてもじゃないが多すぎる。


27。 閣僚の度重なる発言が問題になっている。先日も大臣が発言を撤回していたが、今になって印象は何も変わらない。謝罪した(  )彼に対する


28。 スマホの普及やこの不景気(  )、消費者の意識が 「所有」から「共有」へと変化している。物を所有するよりも、必要な時に必要なものをレンタルすることを好む人が増えている のだ。


29。 (テレビのスポーツ番組で)
Xチームが上のリーグに上がるためには、なんとしてもこの試合に勝たなければなりません。前半戦を終えて2対2の同点。1点(  ) 許すわけにはいきません。


30。 和弘「明日は、夕方4時半に成田着の予定だよ。」
美菫「車で迎えに行くから、成田空港に(  )電話してね。」


31。 わが社では、社員がより働きやすい環境を目指して様々な取り組みを行ってきた。その効果もあって、退職者は減り、以前(  )社員の意欲が上がっている。


32。 洋子「たばこやめるって言ってなかった?」
隆 「やめようと思ってるよ。アストレスを感じると、(  )んだよね。」


33。 あの新人は、社会人として(  )常識が欠けている。ろくにあいさつもしないし、遅刻もしょっちゅうするし。


34。 ボランティアで公園のゴミ拾いをしている(  )タバコの吸い殻を捨てられて、本当にがっかりした。


35。 社内で慎重に検討いたしましたが、今回のお申し出は(  )。


文の組み立て

36。 彼女と結婚したいという気持ちは_ _  _変わりません。


37。 竹内さんは、部下の満足度や他部署の予定よりも_ _  _得ることができない。


38。 ゆうべ、友人からのメールで_ _  _昨日お亡くなりになったと知り、なかなか眠りにつくことができなかった。


39。 社内の不祥事が明るみに_ _  _調査を始めた。


40。 (経営者へのインタビューで)
記者「御社では、今、どのような人材を求めているのでしょうか。」
社長「学校の成績が_ _  _のですが、それだけを見ることはしません。特に弊社のようなベンチャー企業では新しい発想が求められます。」


文章の文法
以下は、小説家が書いたエッセイである。
 どうやって日本語のコーパスを作ったかというと、まず、日本語で書かれた国内の出版物をたくさん集める。出版数で考えると、「社会科学」に分類される出版物が一番多いのだそうだ。よって、実際の比率(41)、「社会科学分野の出版物あんばい が一番多くなるように」と、ちゃんと塩梅(注1)して集める。ただ、出版数ではなく流通数で考えると、文学関連が一番多くなる。そういった要素も加味する。
 つまり、どんな出版物がどれぐらい作られているのか、我々がどんな出版物をよく読んでいるのか、実際の傾向や動向に基づいて、とにかく本や雑誌や新聞や白書(注2)や教科書を集めまくる。そうして集めた出版物から、抜粋(注3)する文章をランダムに選び、スキャンしてデータ化する。そのデータの集積が、コーパスと(42)。
 コーパスがあると、とっても便利。たとえば、「『医者』と『医師』が、どう使いわけられているのか知りたいな」と思ったら、コーパスを検索すればいい。その二つの言葉が実際にどう使われているのか、パパッと表示される。(43)、書籍では「医者」より「医師」を使うことが多く、新聞では圧倒的に「医師」が多いらちえぶくろ しい。コーパスは、「Yahoo!ブログ」と「Yahoo!知恵袋」での日本語の使われかたも収集していて、「ネット上では『医者』を使うひとが多い」ということもわかるようになっている。
 じゃあ、「解約」と「キャンセル」をどう使いわけているかというと、ネット上では
「キャンセル」が、新聞や広報誌や教科書では「解約」が、それぞれ圧倒的に多い。
 ふむふむ、いずれも実感として、非常に納得のいく検索結果だ。我々は、真面目な局面(注4)だったり、「公な感じ」が強かったりする場合、「医師」や「解約」という言葉を選んで使い、くだけた場や日常的な文章表現においては、「医者」や「キャンセル」という言葉を選んで (44)。
 このように、コーパスがあると、「どんな言葉を、どんな場面で実際に使っているのか」が一目瞭然(注5)になる。我々が、「ある言葉に、どんなニュアンスをこめているのかがわかる」とも (45)。

(三浦しをん『広辞苑をつくるひと』岩波書店による)


(注1) 塩梅: ほどよい具合・加減
(注2) 白書: 政府が発表する報告書
(注3) 抜粋する: 書物などから必要なところを抜き出す
(注4) 局面: そのときの状況・状態
(注5) 一目瞭然:一目見てはっきりわかること

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