(2)
以下は、母語の音声の習得について日本語を例として書かれた文章である。
「赤ちゃんのときはどんな音でも区別できるのに、成長するとできなくなる」といわれるのは、決して聞き分け能力の劣化ではなく、日本語の音体系に対応して「区別しないものを見いだし、同じと見なすこと(注1)を学ぶ」という変化なのだ。ここで音の知覚に関しては「習得は喪失だ」といわれるゆえん(注2)である。諸々の(注3)外国語で、日本語では区別しない音の聞き分けに苦労した経験があるならば、それは自分が日本語習得にいかに完璧に成功したかを示しているのだ、と思ってよい。
(注1)こと:ここでは、特に
(注2)ゆえん:理由
(注3)諸々の:多くの