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2018年に、米国のデューク大学のエレナ・ケイウスたちは、カリブ海の水深1〜35mのサンゴ礁に棲息する(注1)クリーナーシュリンプ(注2)(アンキロメネス・ペデルソニ)がブダイやエダイ、ハタなどの魚の体や口を掃除するときの行動を調べた。すると魚とクリーナーシュリンプが、それぞれ相手にすごいと思える信号を出していることが明らかになった。
まず、ハタなどの魚が、白く長い触角を振るクリーナーシュリンプが棲む場所を訪ねて来て、魚が体表を暗くする。(中略)
体表の明暗の変化をクリーナーシュリンプが認識すると、自らの長い触角を前後左右に大きく振る。クリーナーシュリンプの一種アンキロメネス・ペデルソニの視力は、相手の魚の色や輪郭ははっきりと認識できるが、魚の体表の明暗の変化は十分に認識できることが明らかになっている。いっぽうでハタなどの魚の眼は、クリーナーシュリンプの体色や輪郭だけでなく、30〜40cmほど前方にいる全長2cmほどの小さなクリーナーシュリンプの細長い触角の動きを明確に識別できる。クリーナーシュリンプの触角に白く長いものが多いことは、触角(注3)の動きを薄暗い海底でも明確に魚に伝えるためのものと思われる。
その触角の動きを見て、ハタなどの魚は、クリーナーシュリンプが皮膚や口の中をきれいにしたり傷口を癒やしたりすることを了解したと知るのである。こうして両者が合意すればクリーナーシュリンプは、ハタなどの魚に食べられずに掃除を行うことが可能になる。
(注1)棲息する:住む
(注2)クリーナーシュリンプ:えびの一種
(注3)触角:頭の先にある感覚器官