A
人は不安を感じたり緊張したりすると、慌てたり身体の動きがぎこちなくなったりして、本来の力が発揮できなくなることがある。そういうときは、「うまくいかなかったらどうしよう」といったマイナスの思考をしないようにする必要がある。そのためには、自分自身に肯定的な言葉を発することが効果的だ。「きっとうまくいく」と言い聞かせたり、「こうなりたい」という具体的なイメージを言葉にしたりする。脳は自分が発した言葉を真実だと認識しようとするので、その言葉どおりになると思えてきて不安な気持ちが和らいでいく。つまり、心の状態はコントロールが可能なのだ。心の状態が好転すれば、身体もスムーズに動き本来の力が発揮できるはずだ。
B
人は不安な状態に陥ると、反射的に下を向いてしまいます。このように、人間の身体というものは、心の微妙な動きに反応しているのです。こうした身体と心の関係性をうまく活用すると、身体の動きを操作することで心の動きまでもコントロールすることができるようになります。
たとえば、不安でしょうがない状態になったときは意識的に目線をあげてみる。極度に緊張して呼吸が早くなったとしたら、息を大きく吸い込んで深呼吸をしてみる。
シンプルにいうならば、今の身体の状態に対して、すべて反対の方向に身体を動かせばよいのです。目線をあげれば不安は解消されますし、深呼吸をすれば落ち着いた状態になります。
そもそも、心の状態というものは、自律神経(注)を通して身体の反応へと現れてくるものなのですが、こうした作用を逆転させてやることで、身体の動きから自律神経に対して、逆のアプローチをかけていくことができるのです。
(注) 自律神経:意志とは無関係に、身体の機能を自動的に調節する神経